(前回の続きです)
同じ通貨ペアの両建てとは、何が違うのか?
前回の記事で、私は同じ通貨ペアの「両建て」を試していたと書きました。
同じ通貨ペアで同じ数量の買いと売りを持つと、両方を保有している間の為替差損益の合計は、基本的に固定されます。
相場が上がっても下がっても、片方の利益ともう片方の損失がピッタリと打ち消し合うからです。
一方で、ドル円のロングとカナダドル円のショートは、別々の通貨ペアですよね。
似た動きをしていても、値動きの幅はまったく同じではありません。
そのため、組み合わせ全体の為替差損益は常に変化します。
たとえば、同じ通貨数量を持っていたとして、次のように動いたとしましょう。
| ポジション | 値動き | 為替差損益 |
|---|---|---|
| ドル円・買い | +2円 | +2円分 |
| カナダドル円・売り | +1円 | −1円分 |
| 合計 | +1円分 |
(※仕組みを説明するための仮の例です。同じ通貨数量を前提とし、スワップや取引コストは含めていません)
この例では、両方とも上昇していますが、ドル円の上昇幅が大きかったため、組み合わせ全体では利益が出ていますよね。
逆に、カナダドル円の上昇幅の方が大きければ、全体では損失になってしまいます。
つまり、相関する通貨ペアを組み合わせても、為替差損益が完全に固定されるわけではないんです。
相場全体の上下による影響を抑えられる代わりに、「2つの通貨の相対的な強弱によるリスク」が残る形になります。
私は、この違いをしっかりと理解したうえで、組み合わせを考えるようになりました。
2つの通貨ペアの「差」も無視できない
相関する通貨ペアを組み合わせると、2つの値動きの「差」によって、全体の損益が変わってきます。
その差が自分に有利な方向に動けば、為替差益を得られる可能性がありますが、反対に不利な方向に動けば、含み損が増えることもあります。
一時的に広がった差が再び縮まる場合もありますが、必ず元に戻るとは限りません。
2つの通貨の経済状況や金融政策が変われば、それまでとは違う関係が長く続いてしまう可能性もありますからね。
私にとって、この値動きの差は「利益のチャンス」であると同時に、「しっかり管理しなければならないリスク」でもあります。
スワップがプラスでも、為替差損が拡大し続ければ、トレード全体では損失になってしまいます。
だからこそ、「相関しているから」という理由だけで、安心してほったらかしにはできないんです。
2つのポジションを、1つの「部隊」として見る
前回の記事では、私がポジションを「シミュレーションゲームの部隊」のように考えるようになったお話をしました。
相関を使ったトレードでも、この考え方は同じです。
ドル円のロングとカナダドル円のショートを、それぞれ独立した勝負として見るのではなく、「1つの部隊」として考えます。
ドル円だけが利益になっていても、カナダドル円の損失がそれ以上なら、部隊全体ではマイナスですよね。
反対に、片方が含み損でも、もう片方の利益が上回っていれば、全体ではプラスになります。
さらに、私の場合はそこにスワップポイントも含めて考えます。
- 「為替差損益はどうなっているか」
- 「スワップを合わせると、部隊全体ではどうなっているか」
- 「今の組み合わせには、どんなリスクが残っているか」
1つのポジションだけを見ていると、こういった全体像が分からなくなってしまいます。
複数のポジションを組み合わせるなら、損益もリスクも「組み合わせ全体で確認する」必要があります。
この考え方が、私のトレードの大きな土台になっていきました。
相関は、利益を保証してくれるものではない
ここまでお話ししてきたように、私が相関を利用する目的は「為替相場の方向性リスクをできるだけ抑えること」です。
そして、その組み合わせを考える際には、スワップポイントを重視しています。
ただし、何度もお伝えしている通り、相関は常に一定ではありません。
相場環境が変われば、2つの通貨ペアが想定とは違う動きをすることもあります。
スワップポイントが変わることもあれば、為替差損が受取スワップを大きく上回ることもあります。
また、ポジションを増やしすぎれば証拠金の余力がなくなり、反発を待つことすらできなくなるかもしれません。
「相関があるから安全」「スワップがプラスだから大丈夫」とは考えないこと。
相関もスワップも、複数のポジションを組み立てるための「材料」にすぎません。
それらをどう組み合わせ、どこまでリスクを取るのか。
そこまで含めて考えることが、何よりも大切だと思っています。
次回は、実際の「布陣」を紹介します
今回は、私が相関に注目した理由と、相関する通貨ペアを組み合わせる仕組みについてお話ししました。
私が目指したのは、単純に2つの通貨ペアの差から利益を狙うことではありません。
方向性リスクをできるだけ抑え、スワップポイントも考慮しながら、複数のポジションを組み立てること。
そのために、似た動きをする別々の通貨ペアを組み合わせるという方法を考えたんです。
では、実際にどのような組み合わせを使っているのか。
次回は、「USD/JPY買い+CAD/JPY売り――私の相関トレードの原型」として、私が使っている具体的な布陣をご紹介したいと思います!
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